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夕方、大阪駅で [diary note]

仕事で出先から大阪駅へ帰ってきた。
御堂筋口から、伊勢丹横の地下へ降りるエスカレータへ向かっていた。
男性と女性が何やら大げさな身振りで話しているのが見えた。
女性は笑顔で男性に少し大きな声くらいで何かを喋っている。
男性も笑顔で女性に話している。
何を喋っているのか、わかりませんでしたが、だんだん女性の声が大きくなってきた。

女性「わたしは、かんこくからきました」
男性「わたしは、にほんの・・・・・・・・・」聞き取れませんでした。

何だろう?足が止まってしまいました。
女性はお構いなしで、だんだん声が大きくなって、叫ぶくらいに大声です。
女性「わたしは、かんこくからきました」
男性「わたしは、にほんの・・・・・・・・・」またしても尻すぼみで聞き取れません。
これを延々やっています。
言い争いかと思って、道行く人が足を止めるのですが、二人は笑顔です。
女性は、両手を広げ天を抱くようにとても嬉しそうに「わたしはかんこくからきました」
男性も、同じように両手を掲げて「わたしはにほんの・・・・・・・・」またしても尻すぼみです。
キリが無いので、エスカレータで地下へ降りましたが、女性の声は地下にまで聞こえてきます。

女性の顔がとても嬉しそうなのが印象的でした。
およそ30歳半ばの年齢で、韓国人なのでしょう。
男性は50歳前後とみる。

何だったんだろう、この不思議な二人のストーリーを考えずにはいられません。
映画のハッピーエンドのラストシーンのような女性の笑顔です。
しかも大声で、周りをまったく気にせず、高らかに「わたしは、かんこくからきました」と叫んでます。
よほど嬉しいことがあったのは間違いありません。
韓国から来たことを高らかに叫ぶハッピーエンドの物語を考えていました。

たぶん、会ったことの無い祖父が日本に渡ったと聞かされて育ったのでしょう。
祖父は日本で韓国料理店を始め、日本で一から生活を始めます。
差別や習慣にも負けずに必死に働いているところに、韓国から観光で来た女性と出会います。
二人は必然的に恋に落ち、燃え上がり未来を約束しますが、やっぱり運命が二人を引き裂きます。
心破れて帰国した女性は、当然妊娠しています。きっと女の子が生まれたはずです。
その女の子は韓国で結婚し、やっぱり女の子が生まれます。
いつしか母から祖父母の恋の話を絶対に聞きます。
女の子は、いつかきっと祖父のいた大阪へ行くんだと誓います。
あの男性は、きっと脇役です。地下鉄の駅を聞いたに違いありません。
男性は、女性のつたない日本語に「どちらから来たんですか?」と聞いたのでしょう。
そして、本日の夕方に大阪駅で万感の思いを込めて叫んだのでしょう。
「わたしは、かんこくからきましたー!」
そういえば、男性は驚いた顔をしていました。いやそうなると感動のラストシーンではなくなる。
男性も、若い頃韓国へ旅行に行ったに違いない。
そこで恋に落ちたが、やっぱり運命が引き裂くのだ。
心破れて帰国したんだけど、やがて隣町の女性と結婚して幸せに暮らしているのだ。
ふいに、韓国人に道を聞かれて過去を思いだしたのだ。
女性が、韓国から来ましたと叫ぶので、つい「わたしは、にほんでくらしてます」と恋した韓国人に向けて叫んだのだ。
なんだかなぁ・・・

※この物語は途中から個人の妄想です。
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